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Aulnay de Saintonge オルネー・ドゥ・サントンジュ
(オルネィ)
            
24 Apr.2011

フランス観光協会>オルネー
http://www.tourisme.fr/office-de-tourisme/aulnay-de-saintonge.htm
 
 観光局
http://www.aulnaytourisme.com/ 


サン・ピエール教会。

サントから車で45分ほどで、オルネへ到着。道を挟んで教会の北側に駐車場があった。教会の周りは柵で囲まれており、北側と南側に出入口がある。

車を降りると寒い。風が冷たい。陽が傾き、それまでほんのりピンク色だった空が、急激に赤く染まった。夕焼けで空が赤く染まる中、教会の扉口の彫刻がくっきりと浮かび上がり、荘厳だった。石が赤く染まり日中とはまた違う雰囲気で、彫刻がより荘重に思えた。

やがて空が青くなり、ほの暗い中、南扉口の旧約聖書の長老の彫刻が深い陰影を帯びて厳かに浮かび上がり、先ほどまでとは違う表情を見せ、すごみがあった。胸に迫るものがあった。

そして急激に暗くなってもやがかかり、教会全体がほの白くぼんやりと包まれた。やがて教会がライトアップされ、青白い光に照らされた。

あと数分遅く着いていれば見ることが出来なかっただろう、空の色の急激な変化や光と影、明と暗の対比が織りなす世界。冷たい風が吹き付け、身を切るような寒さだったが、忘れがたいひとときとなった。
 
 
 
 

北側には装飾が少なく、四角い塔と、交差部から袖廊にかけての、無装飾ののっぺりとした面が際だっている。

交差部の屋根の形態は、昨日行ったショーヴィニーのそれのようだ。軒下彫刻はトゥールーズ派風だ。ブルゴーニュのアンジー・ル・デュックで見た、怪獣の仮面のような彫刻も見られる。上の方の水平な層の植物文様はパイの形のようで、装飾的だ。

東端部の窓辺の彫刻も、興味深い。蔓草に絡まった人物の量感が印象的だった。その下には、足が蛇になった人物も見られる。細かく見ていくと面白い。

幾何学的な図像や、網状の蔓草文様の柱頭の量感も印象的だ。
くちばしをつきあわせて向かい合う鳥など、古典的な図像も見られる。

南側には夕日が当たり、石が赤く輝いていた。扉口のアーチの装飾的な彫刻が、存在感をもって迫ってきた。細長いプロポーションの人物や動物がリズムを奏でているようだ。一番内側の層は細かい象牙彫りのようで、量感が印象的だ。

上層部では、楯を持った人物の形態が、アーチの線や面に沿わせてある。周囲にはイスラム的な蔓草文様や、ギザギザ文様等の幾何学的な図像がちりばめられている。パルメット文様にも、動きが感じられ、味がある。
 
 

扉口のアーチは、色々な角度から見ると、様々な図像が見え隠れし、実に面白い。一番外側の層は、丸っこいプロポーションの獅子の連なりが印象的だ。その内側の層は、竪琴を持つロバや、とぼけた表情のフクロウ等、図像がとても面白い。

その下の2層には、内側の面に、アトランティスのように、下から支えている人物像が見られる。

3層目の人物が、脚を交差させているのは、トゥールーズのオーギュスタン美術館や、モワサックの彫刻のようだ。扉口ににじり寄って、見入った。

西正面の3つの扉口には、象牙細工やイスラムの漆喰細工のような、装飾的な彫刻がびっしりと施されている。本当に繊細でレース模様のようだ。石の縁が多少摩耗しているが、鋭角な、くっきりとした彫りだ。

内部はあまり広くなく、装飾が少なく、シンプルだが、柱頭にロマネスク様式の彫刻が施されている。くっきりとした彫り方で、とても端正な印象だ。図像も興味深かった。離れたり近づいたり、角度を変えてみると色々な図像が見える。

ロマネスクの解説本等で時々取り上げられている「顔」の彫刻は、目の表情や、あごひげの線や流れや構図が面白い。
 
 

象の彫刻は、プロポーションや仕草が洗練された雰囲気だ。象の文様は西欧ではあまり使われず、珍しいらしい。私も彫刻では初めて見たと思う。

半人半獣の怪獣に蔓草が絡みつき、しっぽの先が蛇のようになっていたり、色々と興味深い柱頭が多くあった。全体的に、洗練された感じの構図で、装飾的だ。

(2007年12月/2008年1月 arco de medio punto様)
 
 

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