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サントル・ヴァル
・ド・ロワール地方
Germigny des Pre  ジェルミニイ・デ・プレ
 
20 Jun.2009
 
 
 
 
ジェルミニィ・デ・プレから5分ほどで到着。サン・ブノワ聖堂前の広場に駐車場があった。

修復中で、玄関廊の西側や南側は板や足場で囲まれているが、北側から玄関廊へ入れるし、玄関廊の柱頭彫刻も、全てではないが見られる。

まだ洗練された構成ではないが、人物の口から蔓草が伸び、動物のしっぽとなったり、あらゆるものが絡んで連鎖して、渾然一体となった、ロマネスクらしい世界が広がっている。

図像には、タペストリーや写本の影響が感じられる。トゥールーズ派との相似を感じさせる図像もある。

端正な植物文様の柱頭や、「ご訪問」「エジプト逃避」等の聖書の場面の柱頭もある。図像や構図が興味深い。植物や人物の衣の襞の線や、量感が印象的だった。少しうつろでシュールな目の表情も。


玄関廊の柱頭彫刻「エジプト逃避」の場面
 

美術史家アンリ・フォションによると、玄関廊の彫刻は、コリント式の柱頭から、図像を刻んだ柱頭へと移行していく過程を示している。
柱頭の荒仕上げの形や寸法や角の渦巻き形紋様、円形文様を尊重はするが、次第にその中に人物や動物、さまざまな図像からできた構図がはめ込まれていっている。

人物像が、物語の場面から建築と結びつけられるようにり、人体は建築の枠組みに合わせるため、プロポーションが不均衡になり、湾曲し、思いがけず雄弁な表現力を与えられた。

人物像は、身体のあらゆる部分を石塊と結ばれ、他の図像とは直接連続した同じ運動の表現によって結びつき、緊密な組織体を生み出している。

複合した効果、組み立てられて生まれてくるドラマチックな躍動感、湾曲変形によって強められた劇的効果が現れている。

教会内部の身廊はゴシック様式に改築されているが、内陣はロマネスク様式。内陣を囲む柱が印象的だった。野太い円柱で、柱頭が大きく、シンプルな植物文様だが、葉模様の重なり具合や、量感が強く心に残った。

内陣のモザイクの色も印象的だった。微妙な色合いのベージュやアイボリー色、淡い緑色や水色が美しい。
 
 

解説本を読みながら、構造を観察する。

内陣に非常に奥行きがあり、祭壇が2箇所に配置され、奥のほうが段階的に高くなっているため、ロマネスクの内陣ないし祭室の中でもっとも美しいと言われている。確かに美しく、荘重だ。

内陣や身廊の天井に、窓枠のシルエットが映り込んでいて、美しかった。暗くなりかけたこの時間帯ならではの見え方だ。当たり前のことかもしれないが、荘厳で、胸に迫った。訪れる時間帯によって、見え方や受ける印象がまるで違うことを改めて痛感した。

クリプトの柱頭はシンプルで無装飾に近かった。

内部の天井 内陣や天井に、窓枠のシルエットが映り込んでいて、美しかった。
 

身廊の西端に絵はがきやこの聖堂の写真入り解説本が並べてあった。5euroの本を2冊購入。
 
 

外部、北側扉口にはゴシック期のタンパン彫刻があった。

外へ出ると、急激に暗くなり、もやがたち、冷たい風が吹き、一気に寒くなった。ポワトゥー地方でもそうだったが、この辺りでも、この時間帯になるともやが立つのだろうか?

広場の一画にトイレがあったが、閉まっていた。
 

(2007年12月/2008年1月 arco de medio punto様)

 

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