ブリュッセルの中心からやや外れたところにある。ミシュラン2つ星。日曜も開いている。
たしかにうまいが、トータルで見るなら、わざわざ飛行機に乗り、タクシーをすっ飛ばして行くレストランかというと疑問。
夕食。アルカルトもありますが、一番安い定食70euroにした。前菜、魚、肉、チーズ、デザートがつく。
席に案内されるやすぐに出て来るのが、長方形のチーズパイ。冷えていて、味もいまいち。
お通しにエビのすり身をハンペン状に固め、エビミソソースをかけた熱い皿が出てくる。お通しとはいえ、けっこう食べ応えがあり、腹にたまる。エビ好きにはいいかも。
前菜だけは、3種から選べる。私は、ウナギとカマスのすり身を巻いて、スライスした冷たい前菜。これにキュウリのソース、つけあわせにはキュウリをボール状に丸くえぐり出したものが10個以上。ベルギーのレストランにしては、塩分も控えめ、あっさりした味で、好感がもてた。
つれの前菜は、3種のムース。サーモンとニシン、もう一つはカモではないか。いずれのムースもちょっぴり元の素材がのっている。とてもこってりとした味わいで、あとで腹に来るそうだ。塩分も強め。
魚は、ヒラメ系の切り身の上にホタテを強く焼いたものが何枚かのっている。魚の下にはネギのクリーム煮。長丸い大きな皿一面には、少し酸味のかかったクリームが敷いてあり、魚の味を引き立てている。日本のフレンチでも出せない味ではないと思いつつも、正直、美味かった。
肉は、鴨肉の薄切り。下にはきのこ、たっぷりのブラウンソースが横に広がっている。つけあわせには、トリュフのかかった大きめのマッシュルーム。こってりしていて、ややくどさがある。
このあと、チーズのワゴンサービスとなりますが、さすがにそうは入らない。
デザートは選べる。私は6種のソルベ。りんご、キウィ、いちご、メロン、ぶどう、バナナと記憶。甘いものとそうでないものとが極端に分かれていた。甘くないソルベには好感。
つれはショコラのムース3種。
ワインリストはひととおり。が、そうぶ厚くはない。また、それほど高級志向でもないようだ。40〜100euroくらいで、満足できるもの。マルキ・ド・ダンジェルヴィルのヴォルネィ96年が82euro。アルザスの白のハーフが22euro。水5・5euro。食後のコーヒー5euroは、わりに良心的かも。
料理には十分満足した。味だけなら近所の同じ2つ星レストラン・ブリュノーよりいいと思うが、問題はサービス面。いったい最後までたどりつけるのだろうか、ハラハラしどおしだった。なにしろ、給仕はエース格とお手伝いの若者の2人しかいない。マダムらしき中年の女性もいるが、常連卓でおしゃべりに夢中で、あとは何もしない。いきおい2人の給仕で、30名近くのサービスをしなければならない。
加えて、このレストランのしきたりなのか、アルカルトは客のテーブルの近くのワゴンで取り分けをする。若い給仕がまず客に調理した肉の皿を見せ、ワゴンに置く。それから2人で肉を切り、1皿1皿に盛りつけ、ソースをかけ、つけあわせを盛る作業をし、テーブルに運ぶ。この間が3分前後かかることもあり、こんな作業をあちこちで繰り返していたのでは、他の客は捨ておかれる。おかげで、ワインがなくなろうが、水がなくなろうが、おかまいなし。とにかく皿をだし、皿を片づけるのに追われっぱなしで、飲み物には目がいかない。
エースの給仕はヒゲを生やした格好いい男性だが、忙しさのあまりか、よく忘れる。注文を取ったあと、すぐに戻ってきて「前菜はこれとこれでよかったっけ」ってな調子である。若い給仕はまだ信用がないようで、基本的には皿運びと皿の下げ方ばかり。ワインを注ぐのも、水を注ぐのも、何かと注文を聞くのも、エース格の仕事になっていますから、大忙しで、見ていて気の毒にさえなった。
20時過ぎ、レストランの賑わいがピークを迎えたころには、このままどうなるのだろうと心配にもなったが、21時過ぎには客も少しは片づき、エース格もほっとひと息。ようやく、飲み物にも目が届きはじめた。私も、思わずホッとした。2つ星レストランが、客から同情されてはいけない。
(店内の様子・客層) = この日は満席で賑わっていた。21時まえには、日本人5人グループも入店。一人は和服姿のご婦人。気のよさそうな若者が女性4人の相手をしていた。あとは、家族連れ、夫婦が中心。全体的に地元の人たちのような気がした。
レストランの内装や調度は、やや田舎っぽさが。豪華にはつくってあるのですが、どこかしらアカ抜けない。それが、親しみやすさを演出してもいるともいえるが。トイレは2階。
(スタッフのようすや対応) = 2人で大勢の客をこなすのですから、大変だ。こちらが「水をちょっと」と声をかけるスキさえ、なかなかない。近くの席に料理を運んできたときが、何
かを言うチャンスになるくらい。人手不足。
(日本語・英語対応) = 英語メニューがあり。給仕も英語はok。
(予約方法) = レストランのホームページから直接。確認の返信メールが来ないので、10日後に「どうなっているのか」督促のメールを送ったところ、予約は大丈夫だという、開封が先方に通知されるメールが来た。
(10点満点で何点?) = 6点
(アクセス) = 地下鉄シモニス駅の近くですが、レストランのウェップにある地図も、場所がわかりづらい。しかたなくタクシーで行ったが、ホームページで住所をしっかり確認して出掛けたほうがいい。ベルギーのタクシー運転手はいい加減なうえ、道を知らないドライバーもいる。ホテルから呼んでもらった運転手は、レストランの住所もわからないまま、タクシーを発進させた。「住所を知っているのか」と聞くと「わからない」となったので、住所のメモを渡しました。このメモがじつのところ間違っていた。正確には「AV.VITAL
RIETHUISEN 46
」なのですが、私が見た昭文社のガイドブック『トラベルストーリー31 アムステルダム・ブリュッセル』には、「AV.VITAL
46」としか記載されていない。これでは、地理不案内な運転手がたどり着けるはずもなく、結局、タクシー会社に電話して、ようやくレストランにまでたどり着けた。ブリュッセルはかなりいい加減なところのある都市ですから、まさかの場合に備え、住所の確認には念を入れておいたほうがよさそうだ。2つ星の有名レストランだからわかるだろう、という思い込みは禁物。
(支払い方法) = クレジットカードOK。
(葦原のしこお様 2005年11月上旬) |