| たぶんボーヌを代表するレストランだと思う。
昼食に。最初、同じミシュラン1つ星のベナトンまで行ったが、昼のメニューを見ると、主菜とデザートの2品21euroだけ。その上となると、チーズまでつく40euro以上の定食。それならと、30euroのこちらへ戻った。
予約せずに飛び込みで。12時過ぎで、まだ席が半分近く開いていた。
前菜・主菜・デザートをそれぞれ2品のうちから選ぶ。
まずは付きだし。長方形の盆の上に、小さなソフトクリームアイスのようなものが中央に立てられていて、パンケーキにクッキーが並べられ、さらには小鉢が2つ。小鉢の中身は、チョコレート味のナッツとポップコーン。ソフトクリーム状のものを食べると、冷たいチーズ味。付きだしのナッツとポップコーンを全部食べると、その先が辛くなりそうなので、ここはセーブ。
さらに2品つきだし。小さなスプーンには、蕪のプリン。蕪とカボチャのムース状の温かい飲み物。どちらも、これからの料理に期待感。
私の前菜は、焼きサバをワインビネガーに浸したようなもの。柑橘系のソースとカシス系のソースがちらしてあり、さらには細かく切ったチーズも。サバの上には香草。悪くはないが、大のサバ好きとしては、なんとなく物足りないものが。サバには、ワインではなく日本酒が、ビネガーではなく?油や味噌、みりんだとつい思ってしまうところが、悲しい日本人。
連れの前菜は、セップ茸を中心としたパフェ状のもの。生のセップ茸と火を通したセップ茸、サイコロ状の揚げたリンゴを、ジャガイモのムースの中にまぜ、リンゴの薄切りが突き刺してある。目と脳を刺激する食べ物。美味しかったそうだ。
私の主菜は、鶏胸肉のロール。中にホウレンソウのムースが仕込まれていて、皿の周囲にキクラゲがたくさん散らしてある。キクラゲには味がつけられていて、このキクラゲと一緒に肉を食べると、口内にいい風味が充満してくる。
途中、付け合わせの入った小さな鉄鍋が出てくる。中身は、ジャガイモのミルク・グラタン。パセリがたっぷりとかけられ、濃厚な味のアクセントになっている。
連れの主菜は、サケのクリームソース。サケの上にムール貝とフォワグラがのっている。少ししょっぱいと。付け合わせは、やはり鉄鍋で出され、ホウレンソウのソテーに温かいトレッシングをかけたもの。これは、納得の味。
パンは3種、バターは2種。バターは、石の上にのっかった格好で置かれる。
このあと、プレ・デセール。黒い盆の上に3種。フランボワーズ・ソースのマフィン、南国系フルーツをあれこれ潰したようなものが小さなスプーンの上に、あとビーカーの中に飲み物。上はフランポワーズのムース、下のほうにはイチゴのシャーベット。
もうここで、胃袋は満杯となり、最後のデザートには戦々恐々。
私のデザートは、イチジクの皿。生のイチジクを薄く切って重ねたものが2つ。手間はかかるだろうが、これはなかなかのアイデアかと。意外感もあって、この2つはスカッと平らげた。ほかに焼きイチジク2つ、トマトのソルベ。トマトのソルベは口を清めてくれるのによかったのだが、焼きイチジクにはついにたどり着けず。沈没。
連れの皿は、梨。梨の薄切りを焼き、シロップにつけたもの。これにココナッツ味のアイス。
これで終わりかと思ったら、小菓子。細長い道具箱のようなものが2つ置かれ、開けてみると、一つには紅白のメレンゲが並べられ、もう一つには茶色の砂糖菓子のようなものが並べられている。
あと、ヌガーがグラスに入って出てきた。もう甘いものは見たくもないのが、つれは「なかなか美味しい」とパクパク食べていた。
ワインリストはぶ厚く、ブルゴーニュの名品が並んでいる。ジョルジュ・ルーミエのシャンポール・ミュージニー2001が74euro。クレマン・ド・ブルゴーニュが1杯7euro。水が6.5euro。
あとで勘定書を見たら、コーヒーをつけ忘れていた。
最後の甘いものの大奮発にくたびれはしたが、スマートかつ優雅に昼の時間を過ごせるレストランだった。これだけの時間は、そうそうないような。これで30euroは安い。
このレストランは3度目。その昔、私にフランス国内で初めて「フランス料理って美味しいんだ」と思わせてくれた場。ここに来るまで、パリでは「フランス料理というのは、名ばかりじゃないの」とさえ思っていた。
数年まえ、春にここでアスパラガスの前菜を食べたとき。私はアスパラカスがあまり好きではありませんでしたが、ここのアスパラガスは、それ自体、私のアスパラ嫌いを一転させるものだった。さらにさまざまなソースがちりばめられ、あれこれつけて食べていくうち、うなり声をあげそうになったものだ。フランス人が無邪気に「トレビヤン」と叫ぶ気持ちがなんとなくわかったようなというと、大げさかもしれないが。
今回の訪問も期待どおりで、国鉄駅への帰路も充実感に満ちた。13時すぎにはほぼ満席。
(店内の様子・客層) = 地元客と観光客が半々くらなのでは?。 車椅子の婦人も優雅に食べていたし、小学生くらいの子連れもいた。私の隣のテーブルは、30代前半とおぼしきカップル。2人で料理を逐一メモしていた。
トイレは2階にあり、優雅。
(スタッフのようすや対応) = そうたくさんのスタッフはいないが、キビキビと動いていり。
(日本語・英語対応) = 英語はまずまず通じる。英語メニューはないような。
(予約方法) = 夜は予約が必要と推測。
(10点満点で何点?) = 9点
(アクセス) = オテル・デューの近く。ボーヌの国鉄駅から真っ直ぐ歩き、ボーヌの城壁内に入らず、その外の道を歩いたほうがわかりやすい。城壁前で左に折れたら、城郭と堀に沿ってしばらく歩いていくと、そのうちレストランのある庭が右手に見える。
(支払い方法) = VISA
(2006年10月下旬 葦原のしこお様) |