Cityvoxを読んで。
HPで大体メニューは確認してあった。メインが一皿25euro前後のところ、夜は3品36ユーロほどのムニュがあると読んではいたが、この日のムニュにはあまり心ひかれず、前菜+メインの違うのをそれぞれが2皿ずつ取ることに。
飲み物は、バドワ、カラフの赤ワイン(スペインものと口頭で事前に説明あり)。
メニューを見ながら先に注文。
パンが届く。イーストではなく、ベーキングパウダーを使った焼き方。塩がきいてつまみにいい。丁寧にあたためてある。
前菜
秋のスープ ハムときのこのクリーム仕立て 15euro
ごまをたっぷりのせた帆立 エンダイブのマーマレードソース 18euro
メイン
ジビエ: 鹿のミニョン マロングラッセ フロマージュ・ブランのクネル(魚をすり身状にしてゆでたもの) 30euro
魚:タラのロースト ジャガイモのアイオリソース 24euro
盛り付けは洗練されており、絵のようだ。味は文句なし。香り、塩味加減、火の通し加減、どれをとってもすばらしい。皿も大きく美しい。大きな黒い四角の石造りの皿を使うのが得意らしく、とてもしゃれている。
スープは濃厚で塩味加減・クリームの具合もほどよく、きのこの風味がよく、家人が感心している。帆立は、皿を見るまで生なのか加熱してあるのかわからなかったが、軽く火の通ったもので、新鮮なものをさっと加熱してあり、すばらしい。ごまの風味とよく合っているし、マーマレードで甘味をつけてあるのがアクセントになっていて面白い。
鹿はさっぱりして赤身で、レアに近く、ローストビーフのような感じ、と家人。家人は全部たいらげた。
タラは新鮮で、身がぷりぷりと弾力あり、塩味だけのシンプルな味付けがとても上手だった。付け合せのポテト・アイオリソースも、絶品だった。疲れ気味の私は大分残してしまった。「すばらしい、おいしい、素敵だが、ちょっと体調が悪い」とスタッフに謝った。おいしかったので残念。特に量が多いわけではなく、普通の日本人であれば、食べきれる量。
メインを下げてもらい、会計を頼むと、プティフール数品が届いた。注文していませんがというと、店からのプレゼントですと。急ぎすぎて失敗した。風邪気味で疲れ、早く宿に帰りたかったのだが、基本的にゆっくりすごす場所なので、食後酒かコーヒーを頼むべきだった。プティフールはとてもおいしく、気持ちが和んだ。
(店内の様子・客層) = 生花が丁寧に活けてある。モダンで落ち着いた店内。白黒でまとめてあり誰にとっても居心地よいと思う。
30から50歳代くらいの常連客がほとんど。仕事仲間、友達、家族、恋人、など。
服装はカジュアルでOKだが、店がモダンで綺麗なので、ほどほどに小奇麗にするほうが内装になじむと思う。子連れには向かないが、友達同士、親子、夫婦、仕事仲間、など、ちょっと非日常的な店でくつろいでゆっくり、食事したい20歳代以上の少人数グループに向いていると思う。
ゆっくりすごせる店だと思う。19時に入店して2品で2時間半かかった。逆に、急ぐ人には向かない。回転など気にしないタイプの店。(一回転でいいという感じで、皆時間をかけている)
(スタッフのようすや対応) = 宿に頼んで予約してあったが、外国人観光客に慣れていない。私たちを見るとすぐ、サービススタッフのかわりに奥から40歳くらいのシェフが登場。予約してあるという言葉も耳に入らないほど、皆、動揺している。英語対応は彼だけだから、出てきた様子。ただ、このシェフが、にこにこしてとても明るく、素直な性格が外見に表れている感じで大変好印象。
飲み物や食べ物の相談に乗り、メニュー解読・注文くらいのフランス語ができるとわかると、安心したシェフはにこにこと奥に戻る。
サービスの若い女性スタッフは2人。注文後10分位して、シェフの家族である40歳くらいの、背が低くふくよかな女性が出勤、各テーブルを挨拶に回る。自己紹介、握手。
この女性はとても話好きで愛想がよく、暇をみつけては各テーブルを回って本当に楽しそうに歓談する。私たちのテーブルにも何度も、「ワインを注文されましたね?」「お味はいかがですか」「問題はありませんか」と用を聞きにくる。いつも満面の笑み。ホスピタリティを全身で表そうとしている。
店を出る前にもまた同じ女性が挨拶・握手に来た。身長160センチに高いヒールのブーツを履いた私や、長身の家人とはかなり身長差があったのに、コートを着せ掛けた。
(日本語・英語対応) = フランス語のみ。ただ、シェフに、メニューのフランス語が読めるかと最初だけ聞かれた。英語メニューはないし、誰も英語は話さない。
(予約方法) = 宿にメールで依頼。当日でもいいから予約が無難。この日の客は、全員電話をした予約客。平日だが満席。予約なしなら開店と同時にB1回転しかしないので、遅い時間に突然行っても席がない可能性がある。週末なら予約必須だろう。
(10点満点で何点?) = 10点。また行きたい。
(アクセス) = ヴュ・マルシェ・オ・ポワソン通りを南下する。橋を渡りそのままの方向で直進すると左手に綺麗めの中華料理屋がある。そこがrue
Klein。中華料理屋の数件先にある。クレベール広場から1キロメートルくらい、グーテンベルク広場から500メートルくらい。
トラムなら、A/DのPorte de l'Hopital下車、東側。
(支払い方法) = 約100euroをアメックスでカード払い。
(その他) = ちょっと高いかもしれないが、あの価格であの料理はパリではありえないと思う。内装も綺麗だし、少し贅沢気分を味わいたい人にはいいと思う。にこやかに歓迎され、気持ちもあたたまる。
ただ、接客が今ひとつといえば今ひとつ。若い女性2人は、一所懸命さは伝わるが、何となくこなれていない感じがすると家人の談。私には十分で気にならなかった。下手に笑わず、クールに接客しようとつとめていて、落ち着いた店と調和している様に思えた。
40代の女性について我々の意見は一致した。店の内装がモダンで料理が洗練されているのだから、そのコンセプトと彼女の雰囲気や態度をあわせるほうがいい。にこにことした愛想のよさ・気軽な話し方が彼女の親しみやすい外見とあいまって、家庭的すぎた。
しかし、あたたかい感じがして常連客をつかんでいるし、隣の店でこじんまりと営業していたのを広い店に移転して拡張したことから(イエローページの写真と現店舗が違う)経営はうまくいっているとわかる。これはこれでいいのかもしれない。
よく、有名な店で順調に修行を重ねた料理人が新しい店をオープンすると、料理や内装が問題なくとも、接客のスタッフに慣れた人がみつからず苦労する、といった話をきくが、実際にちぐはぐな例を見て実感したのは初めて。
(2007年11月 tarte_framboise 様) |