| 「ミシュラン三ツ星返上」などと喧伝され、鳴り物入りでリニューアルオープンした、アラン・サンドランス氏のレストラン(元「リュカ・カルトンLucas
Carton」)。
値段(二人で250ユーロ強)は、肩の力を抜いて楽しむ普段使いのレストランとはいえない。値段的には一ツ星並み。
予約の19時半きっかりに訪れたところ、最初の客だった模様。予約時に「19時半なら空きがございます」とのことだったので、二回転させているのかと思ったが、微妙に時間をずらして客を入れているのかもしれない。テンポよくサーブされるので22時前には店を後にしたが、その後に客が入るということは流石にないだろう。
内装は以前と大きく変わって、未来的な宇宙人でも出てきそうな無機質・金属的な感じ。一方、古い木造の基本構造は手が付けられておらず、アンバランスな印象。敢えて意識したのかもしれないが、イメチェンを図るなら、高級食材店が並ぶマドレーヌから思い切って飛び出した方がよかったような気がする。
照明は淡いピンクのため、シャンパーニュ・ロゼがピンクに見えないというハプニング。我々だけでなく、他の客も「シャンパーニュ・ロゼを頼んだのだが・・・」という苦情をしていた。
テーブルは、食堂といってもいい感じの、白い天板。テーブルクロスはなし。椅子は、空港のビジネスクラスラウンジにでもありそうな一人がけソファのようなもの。プレゼンテーション皿は黒い長方形。和食器のイメージか。
前菜5品(20-30ユーロ、これら以外に本日の前菜として44ユーロのものがあった)
魚介4品(30ユーロ台前半)
肉類4品(30ユーロ台後半、一つだけ48ユーロというのがあった)
チーズ1品
デザート6品(10ユーロ台半ば)
突出して高い前菜と主菜は、どちらもアルバ産白トリュフが使われていた。
それぞれにお奨めワインが紹介されていた。グラスで10-20ユーロ。(ワインリストは、ないのか、持ってこなかった。他の客もワインリストを頼んでいた節がない。)アペリイティフに、それぞれシャンパーニュ・ロゼとヴォークリューズ産ヴィオニエ種の白ワインを頼んだ。
細長く小さいパンが、縦長の四角い金属のバスケットに4本入って出てきた。パン皿はなし。ビストロ風にテーブルに置けということか。
アミューズは黒い正方形の器(これも和食器をイメージ?)に入って出てきた。ホタテを具にした、揚げ春巻きのようなもの。凝縮されたホタテの風味が封じ込まれていて美味しかった。
前菜は、
1. 栗南瓜と貝のマリニエール、ホタテのグリル、バターナッツクリーム
2. 中華風ブイヨンの中の茹でたフォアグラ
主菜は、
1. 肢黒家禽とアルバ産白トリュフのクリーミーなリゾット
2. 仔牛とアカザ海老のタルタルステーキ、春雨、パルミジャーノ・レッジャーノ
デザート(主菜の皿を下げた後注文をとった)は、
1. Coing(カリン似の果物)とスパイスのフォンダン、Cotignacのアイスクリーム
2. とろっとした2003年産<SAMANA>(サンドミニク産のピュアカカオ)、アマレナ漬チェリー
を注文。
ワインは、アペリティフが残っていたので前菜用はパスして、主菜に合わせたグラスワインを注文した。1には1984年のピュリニーのプルミエクリュ、2には2003年のプイイ・フュイセ。
デザートには2に合わせたBrachetto d’Acquiという発泡性の赤ワインを注文。
前菜その1:
小さい栗南瓜を繰り抜いた容器に入った泡立ったスープ。具はアサリか何か。この横に、バターナッツのクリームを敷いたグリルしたホタテが三切れ。栗南瓜味のバターナッツのクリームはねっとりした感じだが、ホタテの風味を殺さず、よくできたもの。泡々スープは絶品。貝の旨味も生かされ、生臭さも砂もなく、文句なし。
前菜その2:
奇抜。とにかく奇抜。フランス料理にも、コンソメスープで煮たフォアグラなんていう料理があるのだろうか。
種明かしをしてしまうと、
中華風スープに浮かぶフォアグラ。しかも、スープの具は白菜とモヤシ。
味は、スープとフォアグラを別々に食べると、美味しい。一緒に口に運ぶと、まあこんなもんか、白菜とモヤシとフォアグラを合わせて・・何かが違う。
まあ、実験としては成功。でも、栗南瓜は人気の品だった一方、こちらはあまり頼んでいる人はいなかった模様。リコッタチーズのラビオリか、半燻製の鮭にしておけばよかった。オマールはマンゴーと合わせていたようだし、これもちょっと。フォアグラは脂が落ちて美味しかったので、念の為。スープは残してもよかったかも。
主菜その1:
これは旨かった。ローストして皮がカリカリに焼けた家禽だが、しっかりした味わいで、これだけでも旨い。そのうえ、贅沢に白トリュフを使ったクリーミーなリゾット、しかも米
は今はやりの日本米かと思わせるほどふっくらしたもの。思い出しただけでも唾液が溢れてくる。ちょっと高いが、お奨め。季節もの。
合わせた20年前のピュリニーはいい感じに枯れてきて、白トリュフとよく合っていた。ただ、タルタルと合わせると駄目。
主菜その2:
紅白タルタル。ホタテや白身魚と、鮭や鮪を合わせたタルタルは、まあ、その辺にある。でも、海のものと陸のものを合わせたものは、初めて。これに生ハムとパルミジャーノ・レッジャーノが薄くスライスされて散らしてある。味付けは、少しマスタードか何かの辛味がアクセントとなり、生物好きには是非お奨めの逸品。
合わせたプイイ・フュイセは、いきいきとさっぱりとして、強い食材に負けていなかった。
前菜、主菜、なんかいい調子だ。奇抜フォアグラを含めて。三ツ星時代は、こういう遊びができなかったんだろう。
デザートその1:
これは、まあ、普通。合格点です。
デザートその2:
これはきっと、本誌にも紹介されている三ツ星時代の代表作かも。薄く丸く、とろとろのチョコレートが真っ白なさらにのっていて、その横にチェリーが半球状態でころころっと。それぞれ単独でも、合わせて口に入れても、濃厚なチョコレートと甘苦いチェリーがいい感じでハモっていた。
甘いワインもいけた。
締めくくりのカフェ。付け合せのプチフールは、ショコラをあしらったチュイル、ショコラのマカロン、ショコラ・トリュフの三種。柔らかな食感のマカロン、とろけるトリュフ、パリパリのチュイル。どれをとっても下手なお菓子屋顔負けの美味しさだった。
従業員も若く、きちんとこちらの要求に応える、そこそこ教育された人たち。
(店内の様子・客層) = いろいろ。男女カップルが多かったが、数人の会食もあった。クリスマスシーズンだからか、団体が上階へ消えていった。
(スタッフのようすや対応) = まあ、可もなく不可もなく。全体的に若め。
(日本語・英語対応) = 不明
(予約方法) = 電話。2日前にコンファームしろとのことだったが、当日でもOKだった。
(10点満点で何点?) = 採点不能。前評判に惑わされた部分があるので。敢えてつけると8点。
(アクセス) = マドレーヌ教会
(支払い方法) = クレジットカード可
(トベロラカシ様 2005年12月) |