| ミシュラン三つ星レストラン。少し前にBoyer(その後惜しくも二つ星に降格)に行ったが、やはりパリの三つ星はもっと特別な気がする。
見事に活けられた生花が並ぶエントランスホールを通り抜け、メインダイニングへ。名前を告げてからやや奥の席につくまでの従業員のにこやかな、きびきびとした態度が食事への期待を増す。席の位置も一見の日本人にしてはまずまずか。
食前酒。すかさず、サブソムリエと思しき男性がシャンパーニュを載せたワゴンと共に現れる。連れはDuetz
ブラン・ドゥ・ブラン96年もの。ブラン・ドゥ・ブランにしてはボディがしっかりしている。私はノンビンテージのもの。値段を考えればこっちで十分。
そうこうするうちにアミューズが二品、ルジェのロースト(一口大にカットされ、スプーンに乗せて)と、オリーブの小ケーキのスライスにトマトのコンポテ(ラタトゥイユっぽい味付け)が供され、カルトが配られる。
注文。女性には値段のないメニュー。でも、女性がもてなす場合はどうなるんだろう?と余計な心配をしながら、品々を眺める。やはり席の位置でホストとゲストを判断するんだろうか。
ハードカバーのカルトを開くと、前菜8品、魚介6品、肉類8品とまずまずの構成。値段のレンジは、前菜:約30から約90ユーロ、主菜:約50から約100ユーロ。
ムニュは2種類、4皿のデクーベルトと8皿のデギュスタシオン。前者は120ユーロ(だったか?)で、アーティチョークのタルト、タラ、仔牛なのでかなりヘルシーだと思う。ただ、しっかり食べようと意気込んできたので、パス。デギュスタシオンは皿数も多く時間がかかるし、食い意地の張った我々でも食べきれないと判断して、これもパス。
結局注文は、前菜から二品、手長海老のカルパチョ。手長海老のブランマンジェとオセトラ・キャビア添え と アーティチョークと黒トリュフのタルト にする。手長海老にはCS(天然モノ)の表記があった。また、「トリュフはシーズンではないよね?」と聞くと、「昨年収穫されたものを細心の配慮で保存しています」とのこと。
主菜は、二人でシェアする、ブレス産の幼鶏とオマール、George V風。
ここでも二人でシェア(別々にサーブする方式)できるとのこと。
ワイン。注文をし終え、既出アミューズ二品を口に。う〜ん、確かに美味いんだけど、そんなにカンドーするほどでもないなあ。。。と思いつつ、ワインを選ぶ。Bourgogneしか見ていないので全体の構成は今一つ定かではないが、DRCのものだけを別立てにしていたわりには、Bourgogne赤の品揃えはイマイチかなと言う印象。自分の好きなVolnayが6種類くらいしかなっかったのがそう思わせただけか?白はそこそこ充実していた。
ソムリエが 「もう少しお待ちした方がよろしいか?」と聞いてきたので、「お奨めは?」と聞くと、まず、ムルソー(村名クラス)から二種類(95、100ユーロ)。
赤では?と聞くとシャンボールの村名クラスから一種類(125ユーロ)を挙げた。「一本しか飲めないのでどちらかを選ぶとすると?」との質問に、ムルソーを、と。結局奨めに従う。
アミューズ。
注文を全て終えると、アミューズが供された。牛の尾肉のコンビーフのようなもの。薄味好みの私には少し塩気が強すぎる。
サブソムリエからシャンパーニュのお代わりを聞かれたので、そろそろワインにしたいと申し入れ。テイスティングの儀式が終わると、遠目に見ていたソムリエと目が合った。向こうから「どう?」と目顔で聞かれたので、「とっても良かったよ」と目顔で応答。ソムリエはニッコリと微笑んで、一礼して立ち去った。気持ちのいいコミュニケーション。
前菜(1)
前菜の手長海老。透明感のある海老自体にオレンジ色に近いセドゥラ・レモンの皮が仕込んであり、海老だけを食してみたが、思ったよりプリプリ感がなく、まったり・ねっとりした食感。これを棒状にあしらった手長海老のブランマンジェ(というよりムース)とキャビアと一緒に口に入れると、口中に素晴らしいハーモニー、プチプチとしたキャビアの塩気が手長海老にアクセントを加え、単独で食べるより一層の味わい。
前菜(2)
次にアーティチョークのタルト。そのムースがマカロンのように成形され、その下に薄くスライスされたアーティチョークと黒トリュフが重なり、タルト生地、さらにマーシュの葉が敷かれていた。周りにバルサミコベースのソース。ムースの柔らかい舌触り、トリュフとアーティチョークのサクとした歯触り、タルト生地のサクサク感。これも絶妙の組合せ。バルサミコの甘みも見事に調和していた。
主菜。
さて、主菜の登場。女性の給仕係が、トレイに乗せた楕円形の鍋に入った蒸し焼き状態の丸々一羽の鶏とオマールを見せてくれた。サーブが始まり、桃肉を片足ずつ取り分けたところで、残りを鍋に戻す。「勿体ないなあ」
オマールも爪、尾肉を綺麗に取り分け、鶏と一緒盛り。非常にシンプルな盛り付けだけに、味で勝負!という気合が伝わってくる。まず、鶏。かなり淡白だが「透き通った」と言っていいような、非常に上品な味わい。ジューシーな肉汁も保持されている。
続いてオマール。尾肉のプリプリ、爪肉の柔らかさのコントラストが見事。プリプリの方は普通のナイフでは切りにくく、青筋が立っていたかも。でも、どんなに食べにくくても全部食べてやる!!と思わせる逸品。
すわ、デザートか!?と思いきや、残っていた胸肉のローストが。全く期待していなかったので、びっくり&ニッコリ。カリカリの皮と胸肉なのに、ジューシーさを保った鶏が、旨い。これもシンプルな盛り付けで、素材と腕で直球ど真ん中勝負。お見事。
デザート。
もうデザートも無理?と話していたところに、チーズは如何?と。さすがに断る。でも、デザートになさいますか?の問いには、悪魔のささやき。ついついお願いします、と答えてしまう。
結局、連れはガリゲット苺(最近パリで流行のよう)とフヌイユのソルベ、私はパイナップルのローストとアイスクリーム(これはエスクワイア6月号に写真入で紹介されている)。パイナップルは甘みが少なく、濃厚なアイスクリームとのバランスがやや?でしたが、プレゼンテーションも味も良かった。
コーヒー。
近頃、フランスのレストランにもモカだ、ガテマラだ、といろいろ選択肢が増えてきたが、ここはキッパリ 「エクスプレス」と。気持ちいいね。一度してみたいのだが、初めてコーヒーのお代わりは如何かと聞かれた。勘定書が届いた後ということから判断するに、やはり、何倍飲んでも同じ値段なんだろうか。頼んでみればよかった。
(店内の様子・客層) = ゴージャスな、でもケバくない内装。
(スタッフのようすや対応) = 気持ちいい。上にも一部書いたが、席につく際、椅子を引いた従業員たちもみんな 「Bonsoir
Madame xx」と固有名詞で呼びかけてくれる。
(日本語・英語対応) = メニューは英仏併記。従業員の英語は聞かなかったが、カナダ系ホテルだし、大丈夫なのではないでしょうか。
(予約方法) = 電話。前日、最終確認の電話がかかってくる。
(10点満点で何点?) = 8.5点。
うーん、難しい。値段は三ッ星の中でも高い方。それを考えると、8.5点は厳しすぎるか。
(アクセス) = George V
(支払い方法) = カードOK
(その他) = グラスワインが赤白各5種類。
ヘルシー志向からか、塩味はしっかり(私には少しきつかったが)しているものの、こってり感は全くない。このためか、カルトにはフォアグラが全くなかった。
(pakanpekopeko様 2004年6月) |