パリからいくヨーロッパ
Ravello ラヴェッロ
ラヴェッロの街は予想以上によかった。南仏のエズのように高いところから海が見下ろせるのですが、
花咲きみだれた庭園からの眺めは、なかなかのものでした。 (夫は、エズよりも気に入ってた) (2003年8月中旬 azumi@az 様) |
アマルフィのフラヴィア・ジョイア広場に、真っ赤な車体のオープントップのバスがある。ソレントとかポジターノとか書いてある。これ、乗ってみるか。
黒パンツに白シャツ、車体と同じ柄のネクタイを締めた若い女性がパンフレットを配っている。見てみると、SITA社の運営で山頂の街ラヴェッロに向かうコース、ビーチ沿いのミノーリ・マイオーリに向かうコースの2つのコース。 4回乗り降りできる切符が10ユーロ。バスには英語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語のイヤホンガイドがついているらしい。 ポジターノへ行くコース、ソレント半島を周遊するコースなんかもあるらしいけど、ちょうど出発時間だったのでラヴェッロ行きのバスに乗り込むことにする。
観光客気分、満喫。バスの右側に席を取る。英語チャンネルを選んだら、イヤホンからはカンツォーネが流れている。ポイントで英語の案内が流れるのだけれど、私の語学力では聞き取れないので音楽だけ楽しむ。 真っ青な空。じりじりと照りつける太陽。なんかものすごく太陽が近いような気がする。 開きの大きいTシャツを着ていたのだけれど、絶対に背中が焼けているはず。でもちょっと日陰に入ったり影に入ると、寒い。上着必須。
坂道を登っていくと海の青さに気がつく。ずいぶん上から見ているのに、なんて透き通った海なんだろう! 道、狭い! バスがすれ違うのが、ぎりぎり。というか、すれ違えない場所もある。でも信号はない。 ところどころのポイントで、工事現場のように黄色いベストを着た人が車を止めたり進ませたりしている。 アマルフィにはメーデーや、祝日の日は観光バス乗り入れ禁止となっていた理由がわかる。路線バスと自家用車がすれ違うのだってものすごく大変なのだ。こりゃ渋滞するはずだ。 バスのダイヤが当てにならないという理由が、わかる。
窓さえ開いていれば隣のバスの人と握手できる距離ですれ違っていく。5センチ、10センチの距離ですれ違う。なんて上手なの!!海や景色の美しさもさることながら、運転手の超絶技巧に感動。 前からもバスがきて進退窮まると、運転手は反対車線をバックして、自分の後ろに続いていた自家用車を先に通す。それから元の車線に戻って、対向できるくらいの余裕がある場所まで、またバック。どうなることかと息を詰めて見つめている乗客をよそに、2台のバスの間をスクーターがすり抜けていく。 歩行者も慣れたもので、海側の腰ぐらいの高さの壁(当然、断崖絶壁)に腰掛けて、車をやり過ごしている。
ラヴェッロ着。 まずは教会を見てヴィラ・ルッフォロを見る。5euro也。 とっても静かで鳥のさえずりが聞こえる、眺めのいい庭。そりゃこんなところに別荘持ちたいよね。 小さな街の中をうろうろすると五つ星L級のホテルも、ちゃんとある。静かな休息を求めてセレブがやってくるという理由がわかる街だった。 ここでは夏の間中、野外コンサートをやっているらしい。静かな街で景色を楽しみ、夜はコンサートなんて優雅な時間の過ごし方だなぁと思う。 しかしビンボーが持病のわれら二人は、とっとと帰りのバスに乗り込んでアマルフィに帰る。
朝をしっかり食べたので、あんまりおなかは空いていない。このあたりはお菓子がおいしいらしいから、元に広場のカフェに入りケーキを食べることにしよう。 街一番の老舗にする。中のショーケースで狙っていたケーキの名前をチェックし、外のテーブル席に座る。白い上着のカメリエーレが見せてくれたメニューで、チェック。よしよし。 レモン・ディライトとアイスティーを頼む。ナミヘーもレモン・ディライト、飲み物をカフェ・フレッドにする。 ずっしり重いフォークを白いクロスで包んでくるあたり、老舗の格を感じる。ナミヘーのカフェ・フレッドは、シャーベット状のコーヒーが、小ぶりのフルートグラスに入ってきた。私のアイスティーは、桃の香り。メニューで見たところ、温かい紅茶ならば店のスペシャルブレンドだったりハーブティーだったりといろいろあったのだけれど、アイスティーに対しては情熱がなかったみたい。残念。 ケーキは、軽くてさわやかなレモンのクリームで、外国にありがちな「ドッシリ脂肪分&ガッツリ糖分」ではなくて、本当においしい! この後、2軒でレモン・ディライトを食べたのだけれど、この店のが一番おいしかった。なるほど高級店と思わせる味だった。 お茶とケーキ2人前で17.5euro。この店直営のチョコレート店も広場の一角に。
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