Munchner Hof (uにウムラウト) |
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Hotel Orphee Kleines Haus http://www.hotel-orphee.de/
(宿泊時期) = 2005年2月(泊数) 2泊
(部屋) = ダブルのシングルユース 5号室(日本式3階)
Hotel Orphee は、Grosses Haus、Kleines Haus、Landhaus の3つのホテルがあり、私が泊まったのは、旧市街にある1番古い Kleines Haus。
この時点ではGross Haus はまだ完成しておらず(5月にオープンしたらしい)、Landhaus は、ホームページで見る限り、インテリアは洗練されていて素敵だったが、市の中心部から遠かったので、あきらめた。
3つのホテルとも典型的なプチホテルで、1つ1つ部屋ごとに内装が異なっており、値段も異なる。幾つかの部屋の写真は、ホームページに掲載されており、Kleines Haus の場合、好みの部屋を指定して、予約することができた。
私が泊まった5号室は、30m3は確実にあるという広さで、窓からは、旧市庁舎など旧市街の趣のある建物が、かいま見えた。細い通りに面しているので、陽光燦々という明るさではないが、薄暗いというほどでもなく、また、うるさくもなく、1日を通して落ち着けた。
内装は、ホテルというよりは、個人の邸宅の1室のような感じ。豪華ではないが、シャンデリアに、アンティーク風の木のテーブルやデスク、敷物の組み合わせなど、個性が感じられて楽しめた。1番ユニークで楽しかったのは、oスルームが「隠し部屋」風になっていたこと。
何と、木製の大きなワードロープの真ん中のガラス戸が、バスルームへの「隠し戸」になっていて、そこをくぐり抜けると、モザイクタイルに彩られた美しいバスルームに通じる、という仕掛けになっている。「洋服だんすの扉が別世界に通じている」とか、小さいころに読んだファンタジーの世界の一端を味わえたようで、何だか幸せな気分になった。
(部屋の家具・備品) =ダブルベッド、ワードロープ、鏡台、全身が映るミラー、ランプの載ったサイドテーブル、デスク、ソファ、椅子、テーブル、スーツケース置き場、何となくオリエンタルな敷物、電話。
テレビはないが、なぜかCDラジカセがある(宿の方針?)。冷蔵庫はないが、なぜかテーブルに水とワイン、おつまみ等が用意されており、これは無料。でも、冷えてないし、おいしくはない。
(バスルーム) =イスラム風の青いタイルと、アングルの「グランド・オダリスク」のコピーが飾られた不思議な空間。洗面台(拡大鏡付)、手足をゆったり伸ばせる大きなバスタブ、シャワー、物置き台付。ユニットバスなのだが、かなり広く、トイレとバスタブの間には結構距離がある。大変清潔で、お湯の出も問題ない。
ボトル入りのソープ、ローション、バスバブル。タオルもバスタオル、フェイスタオルなど一通りそろっている。(冷蔵庫) = なし。
(エアコン、クーラー) = エアコンなし。ヒーターはあるが、広い部屋なので、万遍なく効くまでに時間がかかる。
(パブリックエリア) = 全15室。談話室(?)には古本や素敵なランプ、アンティーク風のラジオなどが並べられている。全体的にアンティーク好きの個人のお宅、という雰囲気。
玄関の扉は普段は閉まっており、宿泊者は部屋の鍵のほかに玄関の鍵をもらう。チェック・インのときには、扉のわきのブザーを押し、インターホンで名乗ると、扉をあけてもらえる。
(リフト) = なし。入り口から部屋まで、すべて階段を上らなければならない。
(レセプション) = 食堂のわきの事務室が、レセプションを兼ねている。
(館内施設) = 食堂のみ。
(スタッフ) =特に愛想がいいというほどではないが、感じは悪くない。初日の担当者は、部屋まで案内してくれた。英語は、通じる人と通じない人がいる。
(宿泊料) = 90 euro(2名利用だと、2人で110euro)。
(予約方法) = 個人で。
メールで。最初のメールに対する返信は、オフィスの引っ越しのためとかで少し時間がかかったが、それ以降は1日かからずに、返信されてきた。クレジットカードの番号は要求されなかった。(アクセス) = 鉄道のレーゲンスブルク駅から歩くと、約15分。タクシーか、駅の北側の通りから旧市街行きのバス(Altstadtbus)で旧市庁舎前まで乗ると、ホテルのすぐ近くに泊まるので、楽。
(周辺の雰囲気) =旧市街で、趣のある建物が多く、治安も問題ない。見どころにも近く、レストランやカフェ、デパートなどもあり、飲食、買い物にも特に困らない。
(選択基準) = エアコンなしの宿ではきつい、真夏の旅行ではなかったので、ありがちな大型のチェーンホテルではなく、設備的には多少不足があって不便でも、小さくて個性の光るホテルに泊まってみたかった。
(よかったこと) =やはり趣のあるインテリアと、ワードロープの向こう側に「隠し部屋」というか、「向こう側の別世界」風にしつらえてあるバスルーム、というユニークなしかけが、よかった。
少し早い時間に、「別世界」のお風呂から部屋に戻り、ゆったりとしたソファに座って、大聖堂の鐘の音を聞きながら、窓から暮れゆく旧市街を眺められたのも、ヨーロッパの古都ならではの、すばらしい安らぎの時間を味わえて幸せだった。
個性的なホテルではあるが、いわゆるデザインホテルのような敷居の高い、特殊な感じではなく、また、(テレビと冷蔵庫がないほかは)備品やアメニティ類にも特に不足はないので、ごく気楽に、のんびりと非日常を味わえるホテルだと思う。
(困ったこと) = 部屋全体が暖まるまでに少し時間がかかった。
(朝食) =パン、ハム、チーズなどのビュッフェスタイル。部屋のインテリアと違い、特徴のない内容と味だったと思う。
(客層) = 老若男女さまざま。気取らない格好をした人が多かった。
(車椅子等の対応は?) = 入り口から部屋まですべて階段で、しかもリフトもないので、無理。ただ、新しくできたGrosses Haus の方にはリフトがついているらしく、また、ホームページを見る限り部屋も広そうなので、ひょっとすると対応可能かもしれない。
(子供連れでも場をこわさないか?) = 別にokだと思う
(コストパフォーマンス) = ◆◆◆◆
(他の方へのアドバイス) =私個人としては、今まで泊まったホテルの中で、最も印象的なすばらしいホテルで、本当は上記の評価も星5つどころか、それ以上にしたいところなのだが、バリアフリーとはかけ離れたつくりや、ヨーロッパのプチホテル特有の不便さなどを考慮し、値段と照らし合わせると、地方都市のホテルのシングルユースとしては、若干高いかもしれない。
1部屋ごとに内装と値段が違う、というホテルの性質上からか、予約サイトなどでの取り扱いや、割引も余り期待できないと思う。合理性や快適性よりも、「何かおもしろいことをやってみよう」という妙な心意気とか、変わった物とかに心惹かれるタイプの人に、おすすめしたいホテル。
(しじま723 様 2005年2月)