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大阪 Osaka の美術館
 
            
 3 Apr.2009


ふらつーユーザからの経験談を募ってみました。
 

(アメニティ江坂 内) スキュルチュール江坂
http://www.amenity-esaka.com/
http://www.toyota-shokki.co.jp/csr/social/jirei/kyouiku.html
彫刻専門の美術館  大家9人×1作品のみ、という絞りきった展示室。豊田自動織機のコレクションから。
(アクセス方法) = 地下鉄御堂筋線・江坂から 徒歩800mなので十分歩けるが、あまり案内がないため、地図がないと迷うと思う。ハンズからすぐ。送迎バスもある。

なにせ、江坂住民や吹田人でも知っている人がほとんどいない、隠れ美術館。
 

(入場料) = 600円  障害者500円 (100円相当の絵葉書1点含む)

入館すると次回の割引券をくれることがある。アメニティ江坂の駐車場が(1時間500円)はスタンプもらうと無料になる。(でも 展示品はかわらない)

(内部の雰囲気や感想) = 非常にコンパクト。

展示室はルーヴルの1室分ぐらいもない。3室というよりはほぼ1室。ちょっとした大きいマンションやホテルのロビーぐらいなので、あまり期待せず、ちょっとした企業の美術展示室ぐらいに思うこと。ただしけっこう遠方からわざわざ訪ねてくる人がいるそうだ。
http://www.sculpture-de-esaka.jp/guide1.html

とにかく、静謐な空間。(敷地内に結婚披露宴会場、テニスコート、打ちっぱなし、などはあるが)

面積の加減で、展示品の後ろの空間が限られているのが残念だった。ジャコメッティなど、後ろからも見たかった。
 

(車椅子・高齢者対応) = 可。館内は平屋で、スロープ。ただし外庭の彫刻の部分は、一部まるい重量プランターで(犬がはいらないよう)小道をふさいである。館員(女性)や施設の門にいる守衛(男性)に相談すると、対応可かも。施設内は基本的に平地。

(子供向け?) = 向かない。思春期の男女には向く。

(所要時間) = 急げば5分。ゆっくりするなら、、、、しても、、、30分〜45分。

(印象的だったもの) =はいってすぐの お茶もだしてくれる椅子と彫刻テラスの空間は、家にほしいと思った。「いまの自分」が欲している空気・時間だと気づいた。

絞りきった展示。窓からの風景。全部の展示品を 穴があくほどみつめて、考え抜ける。そして全部の展示品を覚えていられる美術館というのも、そうはないだろう。

でも並ぶものや並べ方は、やはり素人目にも、横綱・大関級の迫力と重量感をもち、しずかな迫力がある。トヨタ織機からの展示物だそう。

ロダン、ブールデル、ザッキン、ヘンリー・ムーア、ジャコメッティなど、大家一人1作だけ置いてある。ほか、アフリカ彫刻が印象的かつ静謐な置き方でかざられていた。音楽でいえば、低音の和音のようなかざり方で、全体あいまっての響きがおもしろかった。

ジャコメッティ。

(飲食店&ショップ情報) = 絵葉書100円で販売。入場パンフにもユトリロの ノートルダム寺院の絵葉書が1枚はさんである。当然ながら、全作品の絵葉書がある。

ロビーのジョージ・ナカシマの椅子で、コーヒーなど+お茶うけ 対応可400円。ただしカフェ、なわけではない。でもちょっと ネスカフェやシャープ アクオスの宣伝みたいな、ミニマムなインテリアの別荘で、オジサマが優雅な午後、的な雰囲気をカケラだけは味わえる。
 
 

風景やものをみて、夢想できる人、一瞬の空気のゆらぎやとどまりを楽しめる人にはむいているが、そうでない人には 「少ない・なんもない・高い」と侘しい感想しかもたらさないだろう。

ただ、こういうギリギリまでそぎ落とされた場所で、自分の心のなかの厚みやひだが明らかにされると思った。京都でいえば、洛北の鷹峰のような味わい。

作品や美術館が掲載された本や雑誌を手にとってみられる椅子スペースがある。館内作品(数少ないって・・)を網羅したオリジナルの本があり、解説がほどよい量で、芸術にうといものでもみやすかった。まず館内を見てから、椅子でそれをみて(1800円ぐらいで販売もしている)、再度まわるとよいと思う。

美術館=数、と思わず、本当に少ない吟味されたものをじっくり噛んで味わう。

特定芸術館の展示会や、小展ぐらいの楽しみ方で、どうぞ。新大阪からも近い。

とくに、芸術への嗜みのみならず、人生経験の深みが増してから訪れると味わいがあると思う。自分は前よりは厚みをましたと思うが、また5年後にいきたい。

”数”も誇る展覧会や美術館が多いなか、ひさかたぶりに、緊張感をもって、よく研がれた刃物の刃に指を沿わして刃を確認するような、経験をした。

美術館をみて頭がいっぱい、ということは多いが、見終わって、考えて、考え抜いて、また見て、たたずんで、そして、気づくと、コーヒーを飲み終わったような気分だった。もろもろした余計なものは抜け落ちて、でも、なにか自分のなかに、味わいのようなものが確かに染みを残していた。

(2009年 Chun3)


 

 
 
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