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 ロメールの秋 様の紀行
5

12 Jul.2009

 

(2008年9月 ロメールの秋 様)
 
 


 
1 成田〜パリ〜ロンドン
ウォーレス・コレクション
ロンドン泊
The Connaught
2 ナショナル・ギャラリー
3 コッツウォルズ地方
カッスル・クーム、マームズブリー、バイブリー、バーフォード
4 テートギャラリー、ケンウッド・ハウス
5 ロバート・アダムの館巡り
サイアン・ハウス、オスタリー・パーク

6 ロンドン〜パリ
ルーヴル美術館、装飾芸術美術館
パリ泊
L'Hotel
7 発熱で一休み
ルーヴル美術館
8 コニャク・ジェイ美術館、フランス歴史博物館、ニシム・ド・カモンド美術館
パリ〜成田
機中泊
9 〜成田着  
  

 
 
5日目  
晴れている。今日がロンドン最終日。明日は朝6時に空港に向かうので、動けるのは今日が最期なのだ。

少し部屋の整理をして、葡萄で朝食。バトラーに来てもらって、靴の磨きとスーツのプレスをお願いする。
 

10時にロビーに下りていって、ピクニックランチを受け取る。今日は、温かい紅茶も入れてくれた。良かった。

少し遅れて、ガイドの彼が登場。出発。 

サイアン・ハウスへ  
今日は、ロバート・アダムの館を二つ見る計画だ。それぞれの館にどれぐらい、時間を見てよいのか不明なため、その近辺のリッチモンド地方の古い館の目星もつけておいた。

彼は、ロバート・アダムのことを初めて勉強したらしく、昨日の勉強の成果を見せますよと張り切っている。前もって、館の見学もしてくれたそうだ。
 
 

サイアン・ハウスへは、10時45分頃に着いた。開場は11時のため、しばし車の中で、勉強の成果を聞かせてもらう。

現在は12代目のノーザンバーランド公爵の館である、サイアン・ハウスは、元は修道院だったという。

現役の館であることもあり、また、かなりアダムが腕を振るったこともあり、ケンウッド・ハウスよりもはるかに素晴らしい装飾を見ることが出来る。

入場料を払い、館に向かう。前には、一組の家族がいるだけ。ヒースロー空港が近いため、飛行機の音がうるさいのため、公爵家がかわいそうだなと思った。

エントランスホールは、アイボリーホワイトの世界で、ローマから持ち込まれた彫刻が飾られている。ローマ的な石の組み合わせなのに、アダム様式となっている。

十分に溜息をついて、隣のAnte Roomに行くと今度はその重厚性に驚く。イオニア式オーダーの上には、金色のローマの神々が鎮座している。床の文様といい、これは、けばけばしい。

隣のダイニングルームは、白を基調としているが、コリント式オーダーとアルコーブと彫像に囲まれた大きな空間となっている。暖炉にはもちろんスフィンクスがいる。

重厚な赤で飾られたドローイング・ルームを通り抜けようとすると、小さな部屋を見せてくれた。今日は公爵が在宅でないため、彼の書斎を見せてくれたのだ。華美ではないものの、他の部屋と同じだけの重さを感じさせる部屋。公爵家は、ロンドンともう一つの家を持っているそうだ。
 

ロングギャラリーに来た。英国のカントリーハウス特有の細長い部屋。この部屋で、雨の時は、運動代わりに歩いたという。サイアン・ハウスでは、既に絵画ではなく、ライブラリーとなっていた。

くすんだエメラルドグリーンの壁紙、グロテスクな文様がとても映える。暖炉の上に置かれた壺すらも対称的に置かれ、英国のインテリアの素晴らしさを味わった。

所々に、公爵家の写真が飾られ、この館が彼らの住まいであることを印象づけている。
 

他にも公爵夫人の部屋や、家族だけのドローイング・ルームとダイニング・ルームを見せてもらった。公爵夫人の部屋はフランドルの風景画が多かったが、ドローイング・ルームと、ダイニング・ルームには、公爵家縁の人々や英王室の肖像画が飾ってあり、その歴史に対する誇りを感じた。 

2階と階下と庭へ  
 
フランス王室からいただいた巨大なセーブルの花瓶が飾られた階段を上がり、2階へ。家族の部屋が多く、多くは見ることが出来なかった。

昔、ヴィクトリア女王と彼女の母・ケント公爵夫人が、このサイアン・ハウスに滞在していたことがあり、その部屋が再現してあり、見ることが出来た。

その後女王になるとはいえ、この時点では、公爵夫人の部屋の方が、広く、センスが良いものが多かった。

1階から地下に降りると、かつての修道院跡を見ることが出来た。

庭園に出た頃には、あれほど晴れていたのに、曇りになっていた。コンサーヴァトリーにたどり着いた頃には、少々大粒の雨。直ぐに止むとは思うものの、既に12時半を回っているので、庭の散策はあきらめて、車に戻った。 

オスタリー・パーク
オスタリー・パークへは車で20分ほど。13時から入場できる。ここでも駐車場で、しばし勉強の成果を聞かせてもらう。

この建物は、エリザベス女王の経済顧問であったグレシャムが所有し、その後、幾多の出来事があり、最終的にジャージー伯爵が第二次世界大戦後、ナショナルトラストに寄贈した館だという。

この館では、ダイニング・ルームとは言わず、イーティング・ルームと呼ぶ食堂から、見学はスタートする。サーモンピンクとエメラルドグリーンの壁にグロテスクな漆喰が形踊る。

そしてギャラリー。こちらはカナレットなどの絵画が飾ってあり、中国と日本の大きな磁器が置かれている。丹念に見ていくが、その細やかさに目が追いついていけないほどだ。

ドローイング・ルームは、黄色の部屋になっている。天井の柄とじゅうたんの柄が一対となっているため、華やかだが、まとまって見える。

タペストリー・ルームでは、ブーシェの絵を下敷きにしたタペストリーが飾られ、天井ではアダムの世界が広がっている。

State bedchamberも見事だが、まずは、Etruscan Dressing Roomに圧巻される。グロテスクな文様が規則正しく部屋を飾っているのだ。なんだか、刺青の部屋のような気分で、自分の肌にまで刺青が入ってしまったかのように感じた。

そして、エントランス・ホールへ。サイアン・ハウスと同様、シックなグレーのローマンな、アダムの世界だなと更に圧巻。

もう勘弁してくださいと思うのに、最期のとどめとして、ライブラリーがやってくる。アールデコを予感させる天井、直線と円の美しさは、色輝いているのに、本棚は素敵なアイボリーホワイト。その柱に細かく描かれた文様は、本当に眩しい。この白のように、私は生きていけるのかな、と脈絡もなく、そう思った。
 
 

頭がボーっとなってきたのに、更に2階がある。天井画はルーベンス(複製)が描かれ、アダムの文様がちりばめられている。2階は子供達のベッドルームで比較的、目に優しく、地下の使用人部屋を回ったので、やっと落ち着いてきた。

アダムらしさという点では、オスタリー・パークの方が良いかなと思いう。地下鉄とタクシーを上手く利用すれば、十分にロンドンから来ることができる。日本人が好むセンスだと思う。
 

もう晴れ渡っていたので、庭園を散策し、リスを見つけて大はしゃぎをする。日本人はみなそうだね、と言われる。

もう15時を回ってしまい、彼にはカフェでランチを取ってもらい、私は土産を買うことにした。

今日が最期だから、ナショナル・トラストが作ったバラやラベンダーの石鹸などを主体に、土産を選ぶ。
 
 

その後、車の中で、サンドウィッチを食べながら、帰り道に出発。時刻は、15時半を過ぎている。ツアーは17時までの予定だったが、これ以上はお腹一杯なので、ホテルに戻ってもらう。

帰りに、今回訪れることが出来なかった、ノッティング・ヒルやケンジントンを見せてもらい、ホテルに16時半頃には帰る。

夕食
風呂に入って、部屋でのんびりしていたら、あっという間に最期の夕食の時間になっていた。バトラーにスーツケースを戻してもらうように頼み、グランド・フロアに下りる。

今日は、エレーヌ・ダローズで。最期なので、コースとボルドーワインを楽しむ。コースはとても美味しかった。2日前よりもはるかに美味しく、海のものも上手に出来るんだと驚いた。

今日も、アントワーヌ君がいたので、最後に、お父さんへの紹介状をもらう。
 
 

ギャラリーの女性にも、お別れの挨拶とチップを渡そうと思ったのだが、既に帰ってしまったとのこと。今日は、コロラドさんもいなかったので、二人にはお礼の手紙を部屋で書く。

女性には、今日買った小さなレターセットにした。喜んでもらえるといいのだけど。

既に時計は12時近いが、明日は6時にホテルを出なくてはならない。30分で詰め込み、明日は4時半に起こしてと頼み、眠りにつく。 



 

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