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 ロメールの秋 様の紀行
3

27 Apr.2009 

 

(2008年9月 ロメールの秋 様)
 
 


 
1 成田〜パリ〜ロンドン
ウォーレス・コレクション
ロンドン泊
The Connaught
2 ナショナル・ギャラリー
3 コッツウォルズ地方
カッスル・クーム、マームズブリー、バイブリー、バーフォード
4 テートギャラリー、ケンウッド・ハウス
5 ロバート・アダムの館巡り
サイアン・ハウス、オスタリー・パーク

6 ロンドン〜パリ
ルーヴル美術館、装飾芸術美術館
パリ泊
L'Hotel
7 発熱で一休み
ルーヴル美術館
8 コニャク・ジェイ美術館、フランス歴史博物館、ニシム・ド・カモンド美術館
パリ〜成田
機中泊
9 〜成田着  
  

 
 
 
3日目  
6時半に電話がなって、起こされた。

お腹がすいていないため、部屋にあった葡萄を朝ごはんにする。

お風呂を浴びた後、部屋のベルが鳴った。7時半だった。バトラーが来ていて、今日のピクニックランチのメニュを聞きにきてくれた。

着替えながら、ツアーの手配表を確認すると、出発は8時だと書かれている。今まで9時だと思っていたため、ゆっくりとしていた。
 
 

急いで着替えて、寒いからとコートとガイドブックを抱えて、ロビーに下りた頃は、8時を過ぎていた。

既に来ていたガイドに、ピクニックランチが遅れていることを伝え、待っててもらう。コンシェルジェに早くしてもらってとお願いして、3分後にバトラーに持ってきてもらう。

本当にありがとうと挨拶をしてから、ガイドの車に乗る。今日は、本当に寒いなと思う。

カッスル・クームへの道  
ガイドは英国人だが、日本で英語の教師をしていたと言うことだった。

初めは、窓から見える建物について説明をしていたが、私もまだ眠いため、余り話にのってこないことを察したのか、私のことを色々聞いてきた。

私もそのほうが、旅行中楽しいかなと思い、色々話をする。すると、普段は決まった行程の大勢のバスツアーのガイドが多いため、同じことを繰り返すだけなので、日本語が上手くならない。だから、今日は色々話したいと言う。
 

普段の生活や夢、日本にいた時のことなどを話す。ツアー・コンダクターも大変なようで、英国ヒトは皮肉的だというが、彼も皮肉で人生の重みを軽くしようとしている感じだった。

今日は、個人ツアーだし、バスでは入れない狭い道を通ったり、私も知らない街に言ってみたいという。私もその方がアドベンチャーらしいし、賛成する。

ロンドン出身の彼は、ガイドになる前までは、コッツウォルズには行った事がなかったそうだ。 

カッスル・クームへ到着  
10時ごろには、カッスル・クームへ到着。 町外れの道に止め、お手洗いを済ます。

晴れているけど、寒い。コートを着込んで、街に入る。本で憧れた世界が、いとも簡単に目の間に現れて戸惑ってしまう。壁をたたいて、この石が実在することを確認する。

まずはマーケット・クロスを見て、セント・アンドリュース教会を見る。

そこから、ザ・マナー・ハウスというホテルの敷地に入る。大勢だとは入れないけど、一人だから大丈夫かもと多少弱気な彼。怒られたら、出ればいいだろうぐらいの私。

庭を回り、フットパスへと続いている裏庭からみると、コッツウォルズは森でもあるんだなと実感する。

マナーハウスでお茶をするというのを試してみたいなとは思ったが、まだ朝の10時半。ということで、町に戻る。

マナーハウスの部屋だという、コテージがとても可愛らしい。ちょっと小さな天井も扉も、日本人が喜ぶメルヘンの世界。

色々な通りを通り、あちらから、こちらからと写真を取り捲る私。私が可愛いものを見つけると、彼は「きれい、きれい」という。日本人が好きなものを彼は知っているようだ。
 

普通は夕方にこの街にくるツアーが多いため、朝一番にこの街にしたという。確かにほとんど人がいない。個人で車で訪れた人がちらほらするだけだ。

個人宅と思われる家も多く、余りじっと覗き込むことも出来ず、やることがなくなってしまった。
 
 

キャッスル・インというレストラン兼ホテルに立ち寄り、カッスル・クームの日本語のガイドブックはあるかと彼が尋ねてくれた。
日本の旅籠という雰囲気がする宿屋でもあり、興味深くレストランとロビーを見させてもらった。

ある家の前には、その家の奥さんが作ったのか、パウンドケーキが小切れに売られている。新聞受けに1.5ポンドを払うシステムだ。
彼は、レーズンたっぷりのケーキを、私はレモンのケーキを選んだ。道を歩きながら、ほうばる。とても美味しい。

こういったケーキをパウンドケーキと呼んでいいのかよく分からなかったので、こういうケーキのことを英国ではなんと呼ぶのですかと聞いたのだが、これはケーキとしか言わないよという答えだった。

ベイクッドケーキやパウンドケーキが大好きな私は、これが英国料理のベストとなった。
 

帰りに、ギャラリー・オン・ザ・ブリッジでこの街を題材にしたプリント絵画を購入した。

マームズブリー
私のお願いは、カッスル・クームとバイブリーを訪れることだった。彼の提案は、その間を色々な道を通ったり、他の町を訪れようというものだった。

車に戻り、地図を見ながら、マームズブリーに行ってみようと提案してきた。しかも大きな道は通らないと言う。面白いので、早速出発。

小さな道路脇には、羊や牛が草を食べている。そんな道を滑走して、対向車と道を譲りながら、マームズベリーに到着。

修道院が有名な町らしいよと、彼がガイドブックを見ながら、教えてくれる。どうやら彼は、キリスト教がお気に召さないようだ。ふうーんとかいいながら、見ている。それでも寄付はしている。

この修道院もロマネスク様式で建てられ、ベネディクト派であったそう。アルルの時のように、中庭の回廊がきれいだろうと思って、中庭に進んでみたが、回廊はきれいさっぱりなくなっていた。

教会を裏口から出て、眺めると、壁が無残にも壊されている。回廊も壁も、ヘンリー8世時代の偶像破壊のせいだろうと彼はいう。なんか悲しいなと思いながら、この街を出発する。
 

途中、まだ源流サイズの小さなテームズ川を発見し、写真を撮る。 


 
 
さ迷う  
車に戻って、再び地図を見る。彼が言うには、ローマ時代の遺跡が残る中世の城があり、そこに行ってみないかと強く誘う。

彼自身が、コッツウォルズの田舎の風景より、中世のお城を見たいのかなと思った。どちらにしても面白そうだし、賛成する。

その城を目指すが、道が工事中でふさがれており、再びカッスル・クーム近い道まで迂回する。

どうにか小山にたどり着き、地元の人に尋ねると、中世の城までは大変ですよ、あなたたちのように、特に革靴やジャケットを着ているとねと言われ、彼も私もあきらめようかという雰囲気となる。

あの辺りにあるんだけどねえと小山を横目に、バイブリーへと向かう。 

どうやって、ぐるぐる迂回して、バイブリーへ向かうかというのが、私達の目標。道はあるが、気分は道なき道を進むという冒険者のノリになる。

外は快晴。雲が泳いでいる、緑も輝いている。とても爽快。

車の轍の後だけが、道であることを教えてくれるような道を進む。途中、雉に出会い、彼に日本の国鳥であることを告げると、本当にとかなり疑っていた。

途中、雉を轢きそうになったり、怒った牛に挨拶をしてみたり、迷いに迷って、同じところをぐるぐる回っているのに、鼻歌を歌っている彼と、笑っている私。

とはいえ、とうとうバイブリーに到着してしまった。 

スワン・ホテルでランチ  
14時を過ぎている。お腹は空いているが、バイブリーについたころには、雲行きが怪しく、ピクニックランチという雰囲気ではない。

彼はスワン・ホテルで食べるのだというので、ついていって、紅茶を一緒に飲みながら、ランチのサンドウィッチを食べる。

彼に上手いこと見つからないでよ、とお願いされる。

サラダと果物は食べるのを我慢して、スワン・ホテルを出る。

バイブリー散策  
ガイドブックにも載っているアーリントン・ミル博物館は閉館され、今は売られているらしい。その金額が高くてねえ、と彼は教えてくれた。

日本人の団体がやってきた。彼に聞いたところ、コッツウォルズを好むのは英国人が一番、その次が日本人、後はアメリカ人が少々で、他の国の人は余り来ないらしい。

彼らはコルン川からアーリントン・ロウを目指し、私達は、Hawkers Hillという小道から、アーリントン・ロウを目指す。小さな川が脇を流れる小道を通って、あっという間にアーリントン・ロウに。

なんと可愛らしい。ここにあるものは、私達が子供の頃読んだ絵本の世界なので、日本人は好むのだと、彼にも教えた。日本人と英国人が争うように写真を取り合っている。

流れの速いコルン川には、鴨と白鳥が一生懸命泳いでいる。マスも泳いでいる。

私達は、バイブリー・コートというマナーハウスを目指し、セント・メアリー教会へと訪れる。

ここまでは来たことがないんだよ、と彼は言う。教会を飾るバラの花が素敵だ。これぞ英国だな。教会の芝を刈っていた女性から聞いて、教会から入れるバイブリー・コートの裏口を教えてもらう。

ここまで来るとゆったりとした流れになるコルン川が流れているお庭を持つ、マナーホテル。ゆったりと庭でお茶でもと思ったが、さっきランチをいただいたばかりなので、庭をじっくりと散策する。

鴨が岸辺にうずくまっている脇を通り、花が見事な庭を見ながら、裏口へ戻る。教会を一周して、昔のケルト時代の墓を見つけ出す。ぱらぱらと降ってきたので、車に戻る。

途中で、リンゴが一杯出来たので、ご自由にどうぞと、リンゴが箱に入っていた。二人で一つずつ取り、小振りのリンゴに齧り付く。美味しい。
 
 

コルン川から、アーリントン・ロウを見ると、ちょうど誰もいなかったので、小雨に覆われる灰色の姿を写真に収めることが出来た。風情がある写真になって、上機嫌になる。
 
 

楽しかったが、バイブリーもお終い。車に乗り込む。 

バーフォードへ
だんだんと帰る時間が近づいてきた。今までは時間から開放されていたのに、今や時間に合わせて行動をしなくてはならない。

とりあえず、バーフォードへ行きましょう。そうすれば、商店もたくさんあるので、何かお土産が買えるかもしれませんよと言われ、バーフォードを目指す。
 

バーフォードは、メインストリートに商店が多く立ち並んでいる。一通り見た後、彼はお茶をしたいと言う。ずっと一緒だったし、少し別行動になったほうがいいかなと思い、時間を決め、私は一人街を探索した。

確かに色々な商店があるが、このあたりに住む人たちの生活用品を売る店が多い。

普段なら立ち寄りたい店も、今回は美術館のガイドブックが多くなるからと言うことで、店による足が遠のいてしまう。

代りに、この街にある尖塔を持つ教会を目指す。小さな道に寄り道をし、教会のベンチですこし佇む。
 

コッツウォルズに自分がいることが信じられないなあと思いながら、だんだんと冷たくなってくる風に吹かれた。私はこの教会のベンチに、私の一部を残して帰る。この私は、ずっとこの教会から、これからの私を見てくれていてくれるだろう、と思う。
 

時間になって戻る。時間があれば、オックスフォードもと思ったが、今日は無理。代りに、藁葺き屋根の家を見せてあげると言って、出発。

藁葺き屋根、シェイクスピアの奥さんの家のような家だった。そんな家にも人が住んでいるので、車越しに眺めた。

いよいよロンドンに戻るだけの道程。高速道路に乗ったころから、眠りに入ってしまった。

ロンドンに入った頃に、目を覚ました。6時の予定が、6時半に到着。

彼とは明後日も会うので、ホテルのロビーでお別れする。

エレーヌ・ダローズ
さっと、シャワーを浴びて、夜のスーツに着替え、ダローズに向かうも、予定の8時はとうに過ぎていた。

今日は、アラカルトにしようと思い、カルトから、フォアグラとお肉を選び、プロヴァンスの赤ワインを選択する。

周りを見渡すと、ロンドンのビジネスマン接待、地方のイギリス人夫婦、ホテルでよく見かけるご老人などがいる。
 
 

一人、とてもエレガントなサービス係の若い男性がいた。立ち止まる、腕が止まる。話し出す、しかし、肱から下はまだ動き、最期に彼自身にも意識されずに、正しい位置で止まる。なんてエレガントなのだろう。

発音を聞く限り、イギリス人ではないが、振る舞いが、余りに素敵なので、名前を聞いてみる。アントワーヌ君というフランス人だという。つい、つたないフランス語で話すと、向こうもムッシューと話しかけてくれる。フランス好きなので、このホテルにして良かったなあと思う。

デセールの頃、彼から名刺をもらい、その後、パリの話になった。彼のお父さんがサンジェルマンのカフェ・ド・フロールで働いているという。もう直ぐパリに行くから、絶対に会いに行くねと会話をする。
 
 

彼がこのまま成長すれば、このレストランは、サービスの面で3つ星クラスになるだろうなと思い、最期に彼にチップを渡す。



 
 
 

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